黄緑色の渦巻きが、幾重にも重なった野菜。初めて見た人は、野菜なのか置きものなのか、少し戸惑うかもしれません。これがロマネスコです。名前は知らなくても、写真を見れば「あ、これ見たことある」という方は多いのではないでしょうか。
私は、この珍しい野菜を実家の畑で育てています。この記事では、ロマネスコがどんな野菜なのか、その正体から、味、旬、選び方、保存の仕方まで、育てている私の目線でまとめました。育て方の詳しい手順は、別の記事にしています(最後にリンクを置きます)。
なぜ私が育てているのか
私がロマネスコを知ったのは、畑を始めて間もないころです。農業雑誌や農業サイトを見ていたときに、この渦巻きの野菜が目に留まりました。
当時は、近所のスーパーではあまり見かけず、周りの農家さんにも作っている人はいませんでした。しかも「育てるのは少し難しい」という情報まで見かけて、それなら挑戦してみたい、と気持ちに火がつきました。見た目が珍しいだけでなく、農家さんでも知らない人が多い野菜です。それなら、私が育てて知ってもらおう。そんな思いも、種をまいた理由の一つでした。
ロマネスコとは
ロマネスコは、アブラナ科アブラナ属の野菜で、カリフラワーの一種と言われています。生まれはイタリア・ローマ近郊とされ、名前も「ローマのブロッコリー」に由来するそうです。つまり、カリフラワーやブロッコリーと同じ仲間ということになります。
日本ではまだ新顔の野菜ですが、「カリブロ」「サンゴ礁」といった愛称で呼ばれることもあります。
あの渦巻きの正体
ロマネスコといえば、やはりあの渦巻きです。小さな円錐形のかたまりが、らせんを描くように規則正しく並び、その一つひとつがまた、全体と同じ渦巻きの形をしています。部分が全体と同じ形をくり返すこの模様は「フラクタル」と呼ばれ、粒の数が自然界によく現れるフィボナッチ数に沿う、とも言われています。
初めて実物を見たとき、私は、まるでアートのような野菜だと感じました。自然にこんな渦巻きがきれいにできるのか、育てる前は半信半疑だったのですが、実がまだ小さいうちから、はっきりと渦巻き模様が出ていたのです。野菜を育てているというより、芸術品を作っているような感覚で、農業とは究極のクリエイティブな仕事だな、とさえ思いました。
似た野菜との違い
見た目も味も、カリフラワーとブロッコリーの”中間”のような存在です。一目で分かるように、3つを並べてみます。
| ロマネスコ | カリフラワー | ブロッコリー | |
|---|---|---|---|
| 色 | 明るい黄緑色 | 白色 | 緑色 |
| 形 | 渦巻き状(フラクタル)の円錐形 | ドーム状に密集 | 茎の先に密集 |
| 食感 | コリコリ/ほっくり | ホロッと崩れる | キュッと歯ごたえ |
| 味 | クセ少なめ・甘みを感じやすい | やさしい甘み | やや苦味・青味 |
味の感じ方には幅があり、「ブロッコリーに近い風味」という声もありますが、私の畑のロマネスコは、クセが少なく甘みのある味だと感じています。
どんな味・食感?
もう少し詳しく味の話をします。私の感想では、カリフラワーに似ていて、自然な甘みのある野菜です。ブロッコリーのような青臭さはほとんどなく、クセが少ないので食べやすいと思います。
食感は、火の通し具合で変わります。ただ、加熱しても形が崩れにくいのがロマネスコのいいところで、ほっくりとした歯ざわりが残ります。
気になる栄養は?
ロマネスコは、ビタミンCなどを含む野菜だと言われています。見た目や食感はカリフラワーに近いですが、カリフラワーやブロッコリーと同じアブラナ科の仲間なので、栄養の面でも近いところがあると考えてよさそうです。
ここで具体的な数値や効能を詳しく述べることはしませんが、クセが少なく食べやすいので、いつもの食卓に無理なく取り入れられる野菜だと思います。
旬と選び方
ロマネスコの旬は、秋から冬にかけて。一般には11〜3月ごろ、ブロッコリーやカリフラワーとほぼ同じ時期に店頭に並ぶと言われています。国内では、北海道・茨城県・宮城県などが産地として知られています。
おいしいものを選ぶときは、次のあたりを目安にするとよいと言われています。
- 花蕾(粒)が固く締まって、ぎゅっと詰まっているもの
- 黄緑色が鮮やかで、持つとずっしり重いもの
- 粒の先が茶色く変色していないもの、切り口がみずみずしいもの
実は、この「切り口」は私も気にしている点です。売られているものは、切り口がすでに酸化して色が変わっていたり、少し傷んで見えたりすることがあります。まだ広く出回る野菜ではないので、小ぶりでも値が張ることも多いようです。その分、私は食べたいときに畑から穫って、一番新鮮な状態でいただけます。これは、自分で育てているからこその、恵まれた食べ方だなと感じています。
保存のしかた
すぐに使わないときは、乾燥を防ぐのがコツです。湿らせたキッチンペーパーで包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で立てて保存します。日持ちの目安は、丸ごとで数日から1週間ほどと言われています。
長く保存したいときは、小房に分けて、固めに下ゆでしてから冷凍します。この方法なら1ヶ月ほど保存でき、凍ったまま加熱調理に使えるので便利です。
おわりに
珍しくて少し敷居が高そうに見えるロマネスコですが、正体はカリフラワーの仲間で、味もクセが少なく食べやすい野菜です。そして何より、あの渦巻きの美しさは格別です。もしお店で見かけたら、ぜひ一度手に取ってみてください。
そして、「自分で育ててみたい」と思った方へ。種まきから収穫までの記録は「ロマネスコの育て方」、の記事にまとめています。合わせて読んでみてください。
