先住猫のいる家に、新しい猫を迎える。それは、先にいた子にとっては、自分のなわばりに知らない相手が入ってくるということでもあります。
我が家では、先住猫のグウ子のところへ、生まれて間もない子猫を8匹、一度に迎えることになりました。今振り返ると、少し安易な考えだったと思っています。
今日は、先住猫に新入りを迎えたときの私の失敗と、そこから学んだことを書きます。これから多頭飼いを考えている方が、私と同じ後悔をせずにすむように、正直に残しておきたいと思います。
別の部屋から始めた
グウ子は、それまでずっと私たち家族だけと暮らしてきた保護猫で、多頭飼いは初めての経験でした。少しでもストレスをかけたくなかったので、迎えた子猫たちは、最初はグウ子とは別の部屋で過ごしてもらうことにしました。

それでも、匂いや気配で感じるのでしょう。グウ子は、子猫たちのいる部屋の様子を、よく見に来ていました。ただ、来るときはいつも、威嚇の声を出しながらです。その様子から、グウ子が本当にこの子たちを受け入れられずにいることは、私には最初から分かっていました。
対面を、急ぎすぎた
8匹をまとめて入れられる大きさのケージは用意できなかったので、一部屋をまるごと子猫たちの部屋にして、その中で自由に動き回れるようにしました。柵も使っていません。最初は恐る恐る歩いていた子猫たちも、1週間もしないうちに、部屋中を走り回ったり探検したりして、遊べるようになっていきました。

それから2週間ほど経って、私はグウ子と改めて対面させてみました。ところが、威嚇は治るどころか酷くなり、グウ子はその部屋に近づくこと自体をやめてしまった時期もありました。
その間、私はできるだけグウ子のそばに行って、話をしたり、スキンシップをとったりしていました。それでもグウ子は、自分よりも子猫たちに家族を取られてしまったと思ったのか、私にまで威嚇の声を出すようになってしまいました。涙が出るくらい悲しかったのですが、子猫たちを保護したのは、人間の勝手な都合です。申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら、私はただ、ひたすらグウ子に謝っていました。
すすめられる迎え方
別々の部屋にしたのは、先住猫と新入り猫を、いきなり会わせてはいけないと分かっていたからです。一般にも、まずは別の部屋で新入りを隔離して、匂いを交換しながら、時間をかけて少しずつ慣らしていくのがよいと言われています。
ただ、私はその「時間をかけて」の部分を、急いでしまいました。子猫たちが新しい部屋に慣れたのを見て、2週間で直接の対面まで進めてしまったのです。子猫たちの様子ばかりに気を取られて、肝心のグウ子の気持ちを、後回しにしてしまったのだと思います。
匂いに慣れてほしくて、それぞれの匂いのするタオルを近くに置いてみたこともありました。けれどグウ子は、その匂いを嗅ぐだけで唸るばかりで、子猫たちのほうは特に威嚇することもなく、近づいては怒られ、を繰り返していました。グウ子には2階にゆっくり過ごせる部屋があったので、嫌がるグウ子に無理をさせるのはやめて、それ以上は関与せず、時間と猫たちを信じて様子を見続けることにしました。
先住猫が受け入れたサイン
グウ子が新入りを受け入れはじめたと感じたのは、ご飯のときでした。同じ時間に、同じ部屋で、一緒にご飯を食べてくれるようになったこと。これが、少し受け入れのサインだったように思います。もっとも、今でも完全に受け入れたわけではありません。あの子たちは遊んでほしくて近づくのですが、ずっと私たち家族だけと過ごしてきたグウ子には、それが鬱陶しく感じられることも多かったのかもしれません。
一般にも、威嚇が減って同じ空間でくつろいだり、一緒に眠ったり、毛づくろいをし合ったりするようになれば、受け入れが進んだサインだと言われています。慣れるまでの時間は、数日で済むこともあれば、数週間から数ヶ月かかることもあり、その子の性格や年齢によって大きく変わるそうです。
我が家の場合は、3ヶ月ほどで、お互い目が合っても、近づきさえしなければグウ子は威嚇しない、という距離感になりました。半年経っても、それは同じ。1年、2年と経っても、一緒に遊んだり、並んでお昼寝をしたりということはできないまま、今に至っています。
先住猫を最優先に
グウ子は今、16歳のシニア猫です。おチュン、カル坊、まる子、モモ助の4匹は6歳です。相性もあるのでしょうが、この年齢差も、グウ子には負担だったのかもしれません。高齢の先住猫にとっては、若い猫の活発な動きが、体力的な負担やストレスになりやすいとも言われています。

なるべくグウ子に負担をかけたくなくて、最後はおチュンとカル坊の2匹を、私と一緒に暮らすことにしました。すると、2匹減っただけで、グウ子は穏やかな性格に戻っていったのです。その姿を見て、やはり本当にストレスだったのだろうと、改めて思いました。
多頭飼いは、先住猫のことを最優先に考えて、慎重に選ばなければいけない。私はグウ子とのことで、それを学びました。もし今、猫の様子に不安があったり、体調や行動の変化が気になったりする方がいれば、一人で抱え込まず、かかりつけの獣医さんに相談してみてください。
猫の性格の話や、多頭飼いのなかで生まれる序列と兄弟のつながりについては、別の記事「猫の柄で性格は決まる?」「ボス猫ってどんな性格?」にも書いています。よければ、あわせて読んでみてください。

