ボス猫ってどんな性格?

多頭飼いのボス猫グウ子 暮らし

猫を何匹か一緒に飼っていると、「ボス猫」という言葉を耳にします。我が家にも、はっきりと「この子がボス」と言える猫がいます。実家で一番長く暮らす、サバトラのグウ子です。

今日は、多頭飼いの中で見えてくる「ボス(序列)」と、「兄弟(血縁)」という、少し性質の違う2つのつながりについて書いてみます。

我が家のボス、グウ子

グウ子は、もともと一人で静かに過ごすのが好きな保護猫です。そんなグウ子に、大きな転機がありました。

コロナ禍のとき、生まれて間もない子猫たちをまとめて保護することになったのです。その数、なんと8匹。母猫は、姉妹どうしのグリとグラです。おチュン、カル坊、まる子は、そのうちのグラが産んだ3兄弟。モモ助と残りの子たちはグリが産んだ子で、みんな従兄弟同士になります。1人が好きなグウ子が、ある日いきなり8匹の子猫と暮らすことになったのですから、相当なストレスだったと思います。

扇風機の前でお腹を見せて寝転ぶ猫

だから当時は、何をするにもグウ子が一番。「一番はグウ子だよ」という気持ちでお世話をしていました。それでも8匹の子猫の世話には時間がかかりますし、家族の目線もどうしても子猫に向きがちです。グウ子にしてみれば、家族を取られてしまったような気分だったのかもしれません。実際、グウ子はどの子猫にも心を開かず、ずっと威嚇して受け入れようとはしませんでした。

今もみんなが一目置く

その距離感は、今も少し残っています。一緒に暮らすモモ助やまる子に対しても、グウ子は自分から威嚇して、そばに寄らせないようにしています。

保護後のボス猫感がすごいグウ子

もともとクールで、誰かとなれ合うより一人でいることを好む性格です。もうシニアと呼ばれる年齢ですが、いざとなれば手も出せる、まだまだ気持ちの強い子。この「なれ合わない強さ」こそが、グウ子がボスでいられる理由なのだと思います。そして、グウ子が威嚇すると、うちの猫たちはそれ以上近づきませんし、手も出しません。上下関係をちゃんと分かっているように見えます。「グウ子には手を出してはいけない」と、猫たちが感じ取っているのでしょう。その姿を見るたびに、やっぱり我が家のボスはグウ子だな、と思います。

ボスは、どう決まるのか

では、ボスはどうやって決まるのでしょう。

一般には、猫はもともと単独で暮らす動物で、群れのリーダーのような厳密な序列はないと言われます。ただ、一緒に暮らす猫どうしの間には、お互いが快適に過ごすための、ぼんやりとした上下関係ができることもある、と言われます。

その上で、私の実感としては、ボスになるかどうかは「先に住んでいた年数」「縄張りの広さ」「気の強さ」が大きいように思います。グウ子は、我が家で一番長く私たちと暮らしていて、家の中の縄張りも一番多い。そこへ、ヒヨコ同然の子猫たちが新入りとして入ってきたのですから、自然とボスはグウ子、ということになったのだと思います。

「ボス」と「リーダー」は違う

面白いのは、8匹の子猫たちの中にも、自然と目立つ子がいたことです。それがモモ助でした。

8匹のリーダー的存在の猫モモ助

率先して私たちと遊び、トイレも上手にやってみせる。ボスというより、みんなを引っ張る「リーダー」に近い存在です。距離を取って一目置かれるグウ子とはちがい、モモ助は自分から前に出ていくタイプ。同じ多頭飼いでも、ボスとリーダーでは役どころがちがうのだと思います。ボスやリーダーに向いているかどうかは、体格や性格も関係しているのだろうと、私は思っています。

家が変わると、ボスも変わる

ちなみに、私が普段暮らしている家では、ボスは私です(笑)。ただし、なんでも許してしまう甘々のボスなので、あまり威張れていません。

この家にいるのは、おチュンとカル坊の2匹だけ。2匹が本気で喧嘩をすることはなく、いつも一緒にいます。「猫は群れない」と昔はよく言われましたが、うちの2匹を見ているとそんなことはなくて、朝から晩までずっと群れています。頭数が少なく、気心の知れた兄弟だけなら、はっきりしたボスもいらないのかもしれません。実家のように数が増えると、グウ子のようなボスが自然に生まれる。環境によって、力関係の空気はずいぶん変わるものだと感じます。

兄弟だから、気が合う

ここからは、もう1つのつながり「兄弟(血縁)」の話です。

おチュン、カル坊、まる子は、母猫グラのもとに生まれた兄弟です。この3匹は、本当に仲がいい。朝も一緒に起きて、夜も一緒に寝る。日中はじゃれ合って遊び、お互いの体を舐めて毛づくろいもしてあげています。ときどき、一人になりたいときや本気で眠りたいときは、こっそりクローゼットの中の静かな場所へ消えていきますが、基本は朝から夜までずっと一緒です。

4匹一緒に眠る仲良しの猫たち

まる子は今、実家で暮らしているので、帰省したときしか会えません。それでも、おチュンとカル坊との仲は、生まれたころと変わりません。帰ると3匹でくっついて、散歩に一緒に行くこともあります。実家には、兄の家の猫・ヒジキがときどきまる子をいじめに来るのですが、そんなときはおチュンとカル坊が、まる子のボディガードを買って出ます。血のつながりというのは、こういうところに出るのだなと思います。

兄弟で迎えるか迷う人へ

これから猫を迎えるとき、「1匹にするか、兄弟で2匹にするか」で迷う方もいると思います。正直な実感として、私は兄弟で迎えるのは、メリットのほうが多いと思っています。

一般にも、相性のよい子猫どうしなら、飼い主が留守がちでも一緒にいることで安心でき、孤独感がやわらぐ。一緒に遊ぶことで運動不足も防げる、とも言われます。私自身の実感も、これに近いものです。

兄弟で迎えてよかったこと

正直に言うと、大変なこと

大変なことも確かにありますが、これは多頭飼いなら仕方のないことだと思っています。少なくとも我が家を見ているかぎりでは、兄弟で迎えてよかったと思うことのほうが、ずっと多いです。

顔をくっつけて座る兄弟猫のおチュンとカル坊や

おわりに

ボスのグウ子は、今日も自分のペースで、みんなと少し距離を取って過ごしています。おチュンとカル坊は、相変わらずくっついたまま。同じ家で暮らしていても、序列でつながる関係と、兄弟でつながる関係は、こんなにも違うのだなと思います。

多頭飼いは、頭数のぶんだけ気をつかうことも増えます。それでも、それぞれの猫が自分の居場所と距離感を持っている我が家は、見ていて飽きません。これから多頭飼いを考えている方の、何かの参考になればうれしいです。

(猫の「柄」と性格の関係については、別の記事「猫の柄で性格は決まる?」に書きました。あわせてどうぞ。)