猫と畑の二拠点暮らし

水道ホースを引いて水やりをする広い家庭菜園の畑 暮らし

前回は、私がなぜ家庭菜園を始めたのかを書きました。今日はその暮らしの土台になっている「二拠点暮らし」について書いてみます。

私は普段、実家から車で15〜20分ほど離れた市街地に住んでいます。市街地といっても、ところどころに田畑が見える場所で、完全な都会ではありません。そして、畑と猫のいる実家との、二つの拠点を行き来しながら暮らしています。

猫も一緒の、二拠点

我が家の猫のうち2匹は、私と一緒にこの二拠点を行き来しています。車の後部座席に、2匹が余裕で入れる大きなキャリーをセットして、みんなで一緒に移動します。片道は10kmもないので、猫たちの負担も少なくてすみます。

大きなキャリーに入って二拠点を一緒に移動する我が家の猫

行き来するのは、週に2〜3回。野菜の収穫状況に合わせて動いています。知人の美容室で野菜を販売させてもらうこともあり、朝早い収穫が必要なときは、猫たちを連れて畑の家に泊まることもあります。

畑の家では、猫たちはハーネスもつけずに自由に遊びます。一方、市街地の家の近くには散歩を楽しめる公園があるので、こちらではハーネスをつけて、1日2〜3回、2匹それぞれを散歩に連れて行きます。正直なところ、猫に散歩は必要ないとも言われますが、うちの子たちは例外のようです。2匹を別々に連れて行くので、私のほうがたまに疲れてしまうこともあります。

市街地の公園でハーネスをつけて散歩する猫おチュン
市街地の公園でハーネスをつけて散歩する猫カル坊

なぜ二拠点なのか

私には姉と兄がいて、実家(畑の家)には姉の家族が暮らしています。姉夫婦と、子どもが2人です。子どもの成長や受験のことを考えると、私がいて助かることもあれば、気を遣わせてしまうこともあると思いました。だから、姉が実家に入るのと同じタイミングで、私は一人暮らしを始めました。もう15年以上も前のことです。

そんな私にとって、畑をやるために実家へ戻る、という選択肢はありませんでした。

猫たちとの縁は、コロナ禍でたくさんの子猫を保護したことから始まります。里親に出さず我が家で迎えた4匹のうち、2匹を私が引き取りました。当時はペット可の物件ではなかったので、この子たちと暮らすために引っ越しをして、今の二拠点のかたちになりました。

ほどよい距離が心地いい

街にいる間、畑の管理は両親がやってくれています。毎日は大変なので、できる範囲で。猫も、私と暮らす2匹は市街地の家で私が世話をし、実家の猫は姉や両親が見てくれています。

二拠点の暮らしは、私にはとても合っているようです。市街地の家では、自分だけの時間を持って、やりたいことに集中できます。そして畑の家に行けば、家族や猫たちと一緒に過ごす時間があります。ひとりで過ごす時間と、家族や猫と過ごす時間。その両方があることが、私にはちょうど心地いいのです。

もしどちらか一方に偏っていたら、きっとストレスがたまったり、息苦しさを感じたりしたと思います。無理をしがちな人ほど、完璧にやろうとしてしまいます。私もそうでした。でも、ほどよい距離のある二拠点だからこそ、力を抜きながら続けられます。前回書いた「頑張らない畑」を続けてこられたのも、この距離のおかげかもしれません。

大変なのは水やり

もちろん、大変なこともあります。いちばんは、作物の水やりです。

畑の面積が広いので、ジョウロで運んでいると何往復も必要で、それだけで一苦労です。そこで私は、水道ホースを長いものに替えて、畑まで直接引っ張っていけるようにしました。それでも全体は賄いきれないので、ひととおり終わったあと、足りないところに部分的に水をやっています。

水道ホースを引いて水やりをする広い家庭菜園の畑

毎日は通えないぶん、こうした工夫でなんとか回しています。

行き帰りの、車の中で

二拠点だからこそ気づけたことも、あります。

車で行き来する道中、行きの猫たちは、どこか楽しみでウキウキしている様子が伝わってきます。反対に帰りは、たくさん遊んで満足したのか、眠っていることが多いです。充実した時間を過ごせたのかな、と思えて、私までうれしくなります。こうした小さな発見は、二拠点で暮らしているからこそ出会えるものですし、猫たちが元気でいられる理由の一つなのかもしれません。

私の暮らしは、猫と畑のある二拠点暮らしです。でも、暮らしのかたちは人それぞれで、正解はありません。スローライフに憧れる人もいれば、田舎に住んでいて都会の暮らしに憧れる人もいると思います。

大切なのは、「自分はどんな暮らしをしたいのか」をシンプルに考えて、無理のないかたちで取り入れてみることだと思っています。小さく始めると、続けやすいように思います。新しい習慣は3週間ほど続けると身につきやすい、とも言われますから、まずは3週間、試してみるのも面白いかもしれません。

何か新しいことを始めてみたい方にとって、この記事が少しでもヒントになれば嬉しいです。